中唐111ー張祜
題金陵渡 金陵の渡しに題す
金陵津渡小山楼 金陵(きんりょう)の津渡(しんと) 小山楼(しょうざんろう)
一宿行人自可愁 一宿(いっしゅく)の行人(こうじん) 自(おのず)から愁う可(べ)し
潮落夜江斜月裏 潮(うしお)落ちて 夜江(やこう) 斜月(しゃげつ)の裏(うち)
両三星火是瓜州 両三(りょうさん)の星火(せいか) 是(こ)れ瓜州(かしゅう)
⊂訳⊃
金陵の渡津 小山楼に一泊すると
旅の愁いが どこからともなく湧いてくる
夜半の長江に潮は引き 月は斜めに射している
対岸に星明り二つ三つ あれは瓜州の灯火か
⊂ものがたり⊃ 詩題の「金陵の渡し」は閏州(江蘇省鎮江市)にあった長江の渡津です。当時の閏州は長江の河口に近く、「潮落」(潮の満ち干)の影響が顕著でした。潤州の対岸は「瓜州」(江蘇省揚州市瓜洲)で、そこから運河が北へ延び、洛陽へ通じています。だから詩は都への帰心を詠っていることになります。
題金陵渡 金陵の渡しに題す
金陵津渡小山楼 金陵(きんりょう)の津渡(しんと) 小山楼(しょうざんろう)
一宿行人自可愁 一宿(いっしゅく)の行人(こうじん) 自(おのず)から愁う可(べ)し
潮落夜江斜月裏 潮(うしお)落ちて 夜江(やこう) 斜月(しゃげつ)の裏(うち)
両三星火是瓜州 両三(りょうさん)の星火(せいか) 是(こ)れ瓜州(かしゅう)
⊂訳⊃
金陵の渡津 小山楼に一泊すると
旅の愁いが どこからともなく湧いてくる
夜半の長江に潮は引き 月は斜めに射している
対岸に星明り二つ三つ あれは瓜州の灯火か
⊂ものがたり⊃ 詩題の「金陵の渡し」は閏州(江蘇省鎮江市)にあった長江の渡津です。当時の閏州は長江の河口に近く、「潮落」(潮の満ち干)の影響が顕著でした。潤州の対岸は「瓜州」(江蘇省揚州市瓜洲)で、そこから運河が北へ延び、洛陽へ通じています。だから詩は都への帰心を詠っていることになります。