中唐104ー元稹
得楽天書 楽天の書を得
遠信入門先有涙 遠信(えんしん) 門に入って先(ま)ず涙有り
妻驚女哭問如何 妻は驚き女(むすめ)は哭(な)いて 如何(いかん)と問う
尋常不省曾如此 尋常には曾(かつ)て此(かく)の如きを省(み)ざりき
応是江州司馬書 応(まさ)に是(こ)れ江州(こうしゅう)の司馬(しば)の書なるべし
⊂訳⊃
遠方からの便りがあり 家に入るや涙があふれる
妻は驚き娘は泣き出し どうなさったのと尋ねる
こんなことは これまで一度もなかったわ
きっと江州の 司馬さまからのお手紙よ
⊂ものがたり⊃ 白居易の江州貶謫を知ったあと、白居易自身の書信が届いたのでしょう。元稹の涙はあまりに激しく、妻が「如何と問う」て心配するほどでした。転結の二句は妻と娘がささやき合っている言葉で、元稹の悲嘆は「尋常には曾て此の如きを省ざりき」でした。
得楽天書 楽天の書を得
遠信入門先有涙 遠信(えんしん) 門に入って先(ま)ず涙有り
妻驚女哭問如何 妻は驚き女(むすめ)は哭(な)いて 如何(いかん)と問う
尋常不省曾如此 尋常には曾(かつ)て此(かく)の如きを省(み)ざりき
応是江州司馬書 応(まさ)に是(こ)れ江州(こうしゅう)の司馬(しば)の書なるべし
⊂訳⊃
遠方からの便りがあり 家に入るや涙があふれる
妻は驚き娘は泣き出し どうなさったのと尋ねる
こんなことは これまで一度もなかったわ
きっと江州の 司馬さまからのお手紙よ
⊂ものがたり⊃ 白居易の江州貶謫を知ったあと、白居易自身の書信が届いたのでしょう。元稹の涙はあまりに激しく、妻が「如何と問う」て心配するほどでした。転結の二句は妻と娘がささやき合っている言葉で、元稹の悲嘆は「尋常には曾て此の如きを省ざりき」でした。