Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 2094

$
0
0
 中唐91ー柳宗元
    重別夢得           重ねて夢得に別る

  二十年来万事同   二十年来  万事(ばんじ)同じ
  今朝岐路忽西東   今朝(けさ)  路(みち)を岐(わか)てば忽(たちま)ち西と東
  皇恩若許帰田去   皇恩(こうおん)  若(も)し帰田(きでん)し去るを許さば
  万歳当為隣舎翁   晩歳(ばんさい)  当(まさ)に隣舎(りんしゃ)の翁(おう)と為(な)るべし

  ⊂訳⊃
          二十年この方  何もかも一緒であった

          この朝  行く道を分ければ東西の別れ

          皇帝が  故郷に帰るのを許して下さるなら

          晩年は  隣同志の翁になろう


 ⊂ものがたり⊃ 柳宗元は別れの詩を三首つくり、劉禹錫も応える詩をつくっています。柳宗元と劉禹錫は貞元九年(793)に揃って進士に及第し、ともに王叔文の改革運動に加わって永貞の政変に遭い、貶謫の憂き目に逢いました。
 いま再び南遷の厄に逢って西と東に別れようとしていますが、もし官職を辞して故郷に帰ることが許されるなら、隣同士に住んで晩年を過ごそう詠います。だが、柳宗元は柳州で亡くなる運命にありました。 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>