中唐91ー柳宗元
重別夢得 重ねて夢得に別る
二十年来万事同 二十年来 万事(ばんじ)同じ
今朝岐路忽西東 今朝(けさ) 路(みち)を岐(わか)てば忽(たちま)ち西と東
皇恩若許帰田去 皇恩(こうおん) 若(も)し帰田(きでん)し去るを許さば
万歳当為隣舎翁 晩歳(ばんさい) 当(まさ)に隣舎(りんしゃ)の翁(おう)と為(な)るべし
⊂訳⊃
二十年この方 何もかも一緒であった
この朝 行く道を分ければ東西の別れ
皇帝が 故郷に帰るのを許して下さるなら
晩年は 隣同志の翁になろう
⊂ものがたり⊃ 柳宗元は別れの詩を三首つくり、劉禹錫も応える詩をつくっています。柳宗元と劉禹錫は貞元九年(793)に揃って進士に及第し、ともに王叔文の改革運動に加わって永貞の政変に遭い、貶謫の憂き目に逢いました。
いま再び南遷の厄に逢って西と東に別れようとしていますが、もし官職を辞して故郷に帰ることが許されるなら、隣同士に住んで晩年を過ごそう詠います。だが、柳宗元は柳州で亡くなる運命にありました。
重別夢得 重ねて夢得に別る
二十年来万事同 二十年来 万事(ばんじ)同じ
今朝岐路忽西東 今朝(けさ) 路(みち)を岐(わか)てば忽(たちま)ち西と東
皇恩若許帰田去 皇恩(こうおん) 若(も)し帰田(きでん)し去るを許さば
万歳当為隣舎翁 晩歳(ばんさい) 当(まさ)に隣舎(りんしゃ)の翁(おう)と為(な)るべし
⊂訳⊃
二十年この方 何もかも一緒であった
この朝 行く道を分ければ東西の別れ
皇帝が 故郷に帰るのを許して下さるなら
晩年は 隣同志の翁になろう
⊂ものがたり⊃ 柳宗元は別れの詩を三首つくり、劉禹錫も応える詩をつくっています。柳宗元と劉禹錫は貞元九年(793)に揃って進士に及第し、ともに王叔文の改革運動に加わって永貞の政変に遭い、貶謫の憂き目に逢いました。
いま再び南遷の厄に逢って西と東に別れようとしていますが、もし官職を辞して故郷に帰ることが許されるなら、隣同士に住んで晩年を過ごそう詠います。だが、柳宗元は柳州で亡くなる運命にありました。