中唐58ー張籍
秋思 秋思
洛陽城裏見秋風 洛陽城裏 秋風(しゅうふう)を見る
欲作家書意万重 家書(かしょ)を作らんと欲して 意(こころ)万重(ばんちょう)
復恐怱怱説不尽 復(ま)た恐る 怱怱(そうそう)にして説いて尽くさざらんことを
行人臨発又開封 行人(こうじん) 発するに臨んで又(ま)た封を開く
⊂訳⊃
洛陽の街に 秋風が吹き
便りを書こうとするが つもる思いでいっぱいだ
慌ただしく書いたので 言い足りぬことはなかろうかと
旅人の出ていくきわに また封をひらいて読みなおす
⊂ものがたり⊃ 張籍は任官して秘書郎、太常寺太祝、水部員外郎、主客郎中を歴任します。韓愈の推薦で国子博士に任じられ、国子司業に至ります。
詩題の「秋思」(しゅうし)は秋の思い。「家書」は故郷への便りで、洛陽にいる作者が故郷に残している妻子に便りをするのでしょう。「行人」は旅人もしくは使者で、旅行者に託して私信を届けてもらうのです。
故郷の方に行く人があると聞いて、あわてて書信をしたためたのでしょう。転句の「復た恐る 怱怱にして説いて尽くさざらんことを」に、作者の優しい心根がにじんでいます。
秋思 秋思
洛陽城裏見秋風 洛陽城裏 秋風(しゅうふう)を見る
欲作家書意万重 家書(かしょ)を作らんと欲して 意(こころ)万重(ばんちょう)
復恐怱怱説不尽 復(ま)た恐る 怱怱(そうそう)にして説いて尽くさざらんことを
行人臨発又開封 行人(こうじん) 発するに臨んで又(ま)た封を開く
⊂訳⊃
洛陽の街に 秋風が吹き
便りを書こうとするが つもる思いでいっぱいだ
慌ただしく書いたので 言い足りぬことはなかろうかと
旅人の出ていくきわに また封をひらいて読みなおす
⊂ものがたり⊃ 張籍は任官して秘書郎、太常寺太祝、水部員外郎、主客郎中を歴任します。韓愈の推薦で国子博士に任じられ、国子司業に至ります。
詩題の「秋思」(しゅうし)は秋の思い。「家書」は故郷への便りで、洛陽にいる作者が故郷に残している妻子に便りをするのでしょう。「行人」は旅人もしくは使者で、旅行者に託して私信を届けてもらうのです。
故郷の方に行く人があると聞いて、あわてて書信をしたためたのでしょう。転句の「復た恐る 怱怱にして説いて尽くさざらんことを」に、作者の優しい心根がにじんでいます。