中唐57ー張籍
涼州詞 涼州詞
辺城暮雨雁飛低 辺城(へんじょう)の暮雨 雁(かり)飛ぶこと低く
芦筍初生漸欲斉 芦筍(ろじゅん)初めて生じ漸(ようや)く斉(ひと)しからんと欲す
無数鈴声遥過磧 無数の鈴声(れいせい) 遥かに磧(せき)を過ぐ
応駄白練到安西 応(まさ)に白練(はくれん)を駄(はこ)びて安西(あんせい)に到るなるべし
⊂訳⊃
国境の街に日暮れの雨 雁は低く飛んでゆき
芦や筍は 新芽を伸ばして競い合う
鈴の音が 遥かにゴビ砂漠を過ぎてゆく
白い練絹を運んで 西域へゆくのであろう
⊂ものがたり⊃ 盛唐の「涼州詞」(りょうしゅうし)は辺塞詩を代表する詩題でした。しかし、中唐のこの時代になると辺塞に胡笛の声はなく、聞こえて来るのはキャラバンのラクダの首につけた鈴の音です。
「磧」は石ころの原、ここではゴビ砂漠のことでしょう。すでに安西都護府は廃止されていましたが、「安西」という言葉だけが、西方・西域をしめす語として残っていました。
涼州詞 涼州詞
辺城暮雨雁飛低 辺城(へんじょう)の暮雨 雁(かり)飛ぶこと低く
芦筍初生漸欲斉 芦筍(ろじゅん)初めて生じ漸(ようや)く斉(ひと)しからんと欲す
無数鈴声遥過磧 無数の鈴声(れいせい) 遥かに磧(せき)を過ぐ
応駄白練到安西 応(まさ)に白練(はくれん)を駄(はこ)びて安西(あんせい)に到るなるべし
⊂訳⊃
国境の街に日暮れの雨 雁は低く飛んでゆき
芦や筍は 新芽を伸ばして競い合う
鈴の音が 遥かにゴビ砂漠を過ぎてゆく
白い練絹を運んで 西域へゆくのであろう
⊂ものがたり⊃ 盛唐の「涼州詞」(りょうしゅうし)は辺塞詩を代表する詩題でした。しかし、中唐のこの時代になると辺塞に胡笛の声はなく、聞こえて来るのはキャラバンのラクダの首につけた鈴の音です。
「磧」は石ころの原、ここではゴビ砂漠のことでしょう。すでに安西都護府は廃止されていましたが、「安西」という言葉だけが、西方・西域をしめす語として残っていました。