中唐49ー韓愈
酔留東野 酔って東野を留む (後半八句)
低頭拝東野 頭(こうべ)を低(た)れて東野(とうや)を拝(はい)す
願得終始如鉅鞏 願わくは終始 鉅鞏(きょきょう)の如くなるを得ん
東野不迴頭 東野は頭(こうべ)を迴らさず
有如寸筳撞鉅鐘 寸筳(すんてい)もて鉅鐘(きょしょう)を撞(つ)くが如き有り
吾願身為雲 吾(わ)れ願わくは 身 雲と為(な)り
東野変為龍 東野は変じて龍(りょう)と為(な)らんことを
四方上下逐東野 四方上下に東野を逐(お)い
雖有離別無由逢 離別(りべつ)有りと雖(いえど)も逢(あ)うに由(よし)無し
〇 二句目の「鉅」は外字になるので同音の字
に変えてあります。本来は馬偏です。
⊂訳⊃
頭をたれて 君にお願いしたい
いつまでも 鉅と鞏のように助け合っていきたいものだ
ところが 君は 私の方を振り向こうとせず
草の茎で大鐘を 撞くように手ごたえがない
できたらおれは 雲となり
君は龍となって どこまでも
四方八方 君を追いかけたいものだ
世に離別はあっても そんな目に遇う必要はない
⊂ものがたり⊃ 後半八句のはじめ四句の「鉅鞏」は想像上の動物で、ひとつは前足が短く後足が長い。ひとつは前足が長く、後足が短い。二匹がたがいに助け合わなければ自由に行動できない動物です。韓愈は孟郊と行動を共にしたいと願っていますが、孟郊の反応がはかばかしくないのを嘆いています。
つぎの四句の「雲」と「龍」は『易経』に「雲は龍に従い、風は虎に従う」とあるのを踏まえるもので、どこまでもあなたを追いかけますよと結びます。このころの韓愈はまだ古文復興運動の指導者ではなく、古文復興の主張を心に抱きながら規則にしばられない詩を試作していた時期にあたり、同志がほしかったのでしょう。
酔留東野 酔って東野を留む (後半八句)
低頭拝東野 頭(こうべ)を低(た)れて東野(とうや)を拝(はい)す
願得終始如鉅鞏 願わくは終始 鉅鞏(きょきょう)の如くなるを得ん
東野不迴頭 東野は頭(こうべ)を迴らさず
有如寸筳撞鉅鐘 寸筳(すんてい)もて鉅鐘(きょしょう)を撞(つ)くが如き有り
吾願身為雲 吾(わ)れ願わくは 身 雲と為(な)り
東野変為龍 東野は変じて龍(りょう)と為(な)らんことを
四方上下逐東野 四方上下に東野を逐(お)い
雖有離別無由逢 離別(りべつ)有りと雖(いえど)も逢(あ)うに由(よし)無し
〇 二句目の「鉅」は外字になるので同音の字
に変えてあります。本来は馬偏です。
⊂訳⊃
頭をたれて 君にお願いしたい
いつまでも 鉅と鞏のように助け合っていきたいものだ
ところが 君は 私の方を振り向こうとせず
草の茎で大鐘を 撞くように手ごたえがない
できたらおれは 雲となり
君は龍となって どこまでも
四方八方 君を追いかけたいものだ
世に離別はあっても そんな目に遇う必要はない
⊂ものがたり⊃ 後半八句のはじめ四句の「鉅鞏」は想像上の動物で、ひとつは前足が短く後足が長い。ひとつは前足が長く、後足が短い。二匹がたがいに助け合わなければ自由に行動できない動物です。韓愈は孟郊と行動を共にしたいと願っていますが、孟郊の反応がはかばかしくないのを嘆いています。
つぎの四句の「雲」と「龍」は『易経』に「雲は龍に従い、風は虎に従う」とあるのを踏まえるもので、どこまでもあなたを追いかけますよと結びます。このころの韓愈はまだ古文復興運動の指導者ではなく、古文復興の主張を心に抱きながら規則にしばられない詩を試作していた時期にあたり、同志がほしかったのでしょう。