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ティェンタオの自由訳漢詩 2041

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 中唐38ー李益
    聴暁角              暁角を聴く

  辺霜昨夜墮関楡   辺霜(へんそう)  昨夜  関楡(かんゆ)を墮(おと)し
  吹角当城片月孤   吹角(すいかく)  城に当たって片月(へんげつ)孤なり
  無限塞鴻飛不度   無限の塞鴻(さいこう)    飛びて度(わた)らず
  秋風吹入小単于   秋風(しゅうふう)吹き入る  小単于(しょうぜんう)

  ⊂訳⊃
          国境の砦の楡に  昨夜霜が降り

          夜明けの角笛   ぽっかり浮かぶ月ひとつ

          塞上の雁の群も  飛び去ろうとせず

          「小単于」の曲の  流れるなかを秋風が吹く


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「暁角」(ぎょうかく)は夜明けを告げる角笛です。「関楡」は関門に植えてある楡の木ですが、辺境の砦では楡を植えて遮蔽物としたので砦のことを楡塞ともいいます。「当城」は難解で、地名(河北省蔚県付近)とする説と「城に向き合って」とする説があります。ここでは訳を省きました。
 「塞鴻」は辺塞の上を渡る雁のことで、それが無限につづくほど多く、砦の壁上にとどまって飛び去ろうとしないものもいます。「小単于」は角笛の曲名のひとつ。単于は匈奴の王ですので胡族と関係のある曲でしょう。

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