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ティェンタオの自由訳漢詩 2039

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 中唐36ー李益
   夜上受降城聞笛        夜 受降城に上りて笛を聞く

  回楽峰前沙似雪   回楽峰前(かいらくほうぜん)  沙(すな)  雪に似たり
  受降城外月如霜   受降城外(じゅこうじょうがい)  月  霜の如し
  不知何処吹蘆管   知らず  何(いず)れの処(ところ)にか蘆管(ろかん)を吹く
  一夜征人尽望郷   一夜   征人(せいじん)  尽(ことごと)く郷(きょう)を望む

  ⊂訳⊃
          回楽峰の前に  砂漠は雪のように白くひろがり

          受降城の外に  月の光は霜のように降りそそぐ

          どこで吹いているのか  あの芦笛は

          今宵 征旅の兵たちは  故郷の方を望み見る


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「受降城」(じゅこうじょう)は漢代に一城が築かれ、内蒙古自治区包頭(パオトウ)の西北にありました。突厥の侵入を防ぐため、唐初に東・中・西の三城に拡充され、黄河沿線に配置されます。「回楽峰」は回楽烽という烽火台の誤りとする説があり、その場合は西受降城(内蒙古自治区杭錦後旗烏加河の北岸)と推定されます。
 前半の対句は有名であり、辺塞からあたりを眺めて雪といい霜といい寒々とした感じをだします。後半、寒々としたその受降城に、何処からか「蘆管」(芦で作った胡族の笛)の音が聞こえて来ます。それを聞いて兵士たちは、望郷の思いに誘われると詠います。

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