中唐33ー戎?
採蓮曲 採蓮曲
涔陽女児花満頭 涔陽(しんよう)の女児(じょじ) 花 頭(こうべ)に満つ
驂驂同泛木蘭舟 驂驂(さんさん)として同じく泛(うか)ぶ木蘭(もくらん)の舟
秋風日暮南湖裏 秋風(しゅうふう) 日暮るるも南湖(なんこ)の裏(うち)
争唱菱歌不肯休 争って菱歌(りょうが)を唱(うた)い 肯(あ)えて休(や)めず
〇 二句目の「驂」は外字になりますので同音
の字に変えてあります。本来は毛偏です。
⊂訳⊃
涔陽の娘たちは 頭に花を飾り立て
木蘭の舟に乗って 群がりつどう
南湖に吹く秋の風 日暮れになったが
争って菱歌を唱い やめようとしない
⊂ものがたり⊃ 戎?(じゅういく)は生没年不詳です。徳宗の建中年間(780ー783)に辰州刺史をつとめていましたので、韋応物と同じころに活躍した詩人とみられます。
詩題の「採蓮曲」(さいれんきょく)は蓮の実採りの歌の意味ですが、蓮はどこにも出て来ません。当時、菱や蓮の実摘みは農家の娘たちの楽しい労働でした。「涔陽」は確定できませんが、湖北省公安県の南、涔水の北に涔陽鎮があり、あたりは湖沼地帯です。
「驂驂」の本来の字は髪もしくは細長いものが乱れているさまをいいます。ここでは小舟が群がっているさまをいうのでしょう。「木蘭の舟」は楚辞に出てくる舟で、菱採り舟を雅していうものです。「菱歌」は菱摘みの労働歌ですので、ここではじめて菱摘みを詠っていることが分かります。日暮れになっても歌をやめないのは、岸辺に男たちが現れるのを待っているのです。
採蓮曲 採蓮曲
涔陽女児花満頭 涔陽(しんよう)の女児(じょじ) 花 頭(こうべ)に満つ
驂驂同泛木蘭舟 驂驂(さんさん)として同じく泛(うか)ぶ木蘭(もくらん)の舟
秋風日暮南湖裏 秋風(しゅうふう) 日暮るるも南湖(なんこ)の裏(うち)
争唱菱歌不肯休 争って菱歌(りょうが)を唱(うた)い 肯(あ)えて休(や)めず
〇 二句目の「驂」は外字になりますので同音
の字に変えてあります。本来は毛偏です。
⊂訳⊃
涔陽の娘たちは 頭に花を飾り立て
木蘭の舟に乗って 群がりつどう
南湖に吹く秋の風 日暮れになったが
争って菱歌を唱い やめようとしない
⊂ものがたり⊃ 戎?(じゅういく)は生没年不詳です。徳宗の建中年間(780ー783)に辰州刺史をつとめていましたので、韋応物と同じころに活躍した詩人とみられます。
詩題の「採蓮曲」(さいれんきょく)は蓮の実採りの歌の意味ですが、蓮はどこにも出て来ません。当時、菱や蓮の実摘みは農家の娘たちの楽しい労働でした。「涔陽」は確定できませんが、湖北省公安県の南、涔水の北に涔陽鎮があり、あたりは湖沼地帯です。
「驂驂」の本来の字は髪もしくは細長いものが乱れているさまをいいます。ここでは小舟が群がっているさまをいうのでしょう。「木蘭の舟」は楚辞に出てくる舟で、菱採り舟を雅していうものです。「菱歌」は菱摘みの労働歌ですので、ここではじめて菱摘みを詠っていることが分かります。日暮れになっても歌をやめないのは、岸辺に男たちが現れるのを待っているのです。