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ティェンタオの自由訳漢詩 2034

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 中唐31ー韋応物
   酬柳郎中春日         柳郎中の春日揚州に帰
   帰揚州南郭見         らんとし 南郭にて別
   別之作             れらるるの作に酬ゆ

  広陵三月花正開   広陵(こうりょう)  三月  花(はな)正(まさ)に開く
  花裏逢君酔一廻   花裏(かり)  君に逢い酔うこと一廻(ひとたび)せん
  南北相過殊不遠   南北相過(あいよぎ)ること殊(こと)に遠からず
  暮潮帰去早潮来   暮潮(ぼちょう)帰り去って早潮(そうちょう)来たる

  ⊂訳⊃
          揚州の春三月は   いままさに花ざかり

          花の下で君と会い  また酔っ払ってみたいものだ

          南北に分かれているが  格別遠いわけではなく

          夕べの潮が引けば  また朝潮が満ちてくる


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「柳郎中」(りゅうろうちゅう)は伝不明です。柳郎中が韋応物を訪ねてきて揚州(江蘇省揚州市)にもどることになり、「南郭」(城の南の城壁)まで見送りました。柳郎中の留別の詩に応える詩です。「広陵」は揚州の古名で、韋応物が蘇州刺史のときの作とみられます。
 前半では揚州の花ざかりにもう一度会いたいものだと別れを惜しみます。揚州は蘇州の北200kmほどのところにあり、運河も通じています。当時、長江の河口は現在よりも西に入り込んでいて、河口に近い揚州は海の干満差の影響が大きかったといいます。
 柳郎中(「郎中」は旧官職名)は不遇な地位にあったらしく、結句の「暮潮帰り去って早潮来たる」には、生きていればいつかはまたいいこともあるだろうという含みがあるでしょう。

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