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ティェンタオの自由訳漢詩 2033

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 中唐30ー韋応物
   秋夜寄丘二十二員外   秋夜 丘二十二員外に寄す

  懐君属秋夜     君(きみ)を懐(おも)うは秋夜(しゅうや)に属し
  散歩詠涼天     散歩して涼天(りょうてん)に詠(えい)ず
  山空松子落     山(やま)空(むな)しゅうして松子(しょうし)落つ
  幽人応未眠     幽人(ゆうじん)  応(まさ)に未(いま)だ眠らざるべし

  ⊂訳⊃
          なつかしく   君を思いながら夜は更けて

          秋空のもと  そぞろ歩いて詩をつくる

          静かな山で  松かさがぽつりと落ち

          世捨て人よ  まだ眠らずに覚めているのか


 ⊂ものがたり⊃ 滁州刺史のあと、韋応物は江州(江西省九江市)刺史に移り、都にもどって左司郎中になります。ついで貞元二年(786)に蘇州(江蘇省蘇州市)刺史になります。詩題の「丘二十二」は丘丹(きゅうたん)という名で戸部員外郎になっていましたが、辞職して臨平山(江蘇省杭州市の東北)に隠棲しました。
 詩は蘇州刺史に在任中の作と推定され、隠棲した親友を思いやりながら詩を作って送りました。前半は作者のようすです。後半は相手を想像して詠うもので、「山空」(ひと気のない山)で「松子」(松かさ)の落ちる音がし、「幽人 応に未だ眠らざるべし」と詠います。隠棲しても世を憂えて眠られずにいるのかと同憂の思いを述べるのでしょう。

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