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ティェンタオの自由訳漢詩 1854

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 南北朝55ー歌謠
   折楊柳歌             折楊柳歌

  遥看孟津河     遥かに孟津河(もうしんか)を看(み)れば
  楊柳鬱婆娑     楊柳(ようりゅう)  鬱(うつ)として婆娑(ばさ)たり
  我是虜家児     我(わ)れは是(こ)れ虜家(りょか)の児(こ)
  不解漢児歌     漢児(かんじ)の歌を解(かい)せず

  ⊂訳⊃
          遥かに孟津の渡しを見れば

          こんもりと   楊柳が茂る

          おれは北虜 胡人の子だ

          漢人の歌など知ってはいない


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「折楊柳歌」(せつようりゅうか)は、本来は旅の別れの歌ですが、そんな南朝の文化に反発しています。「孟津河」は孟津(河南省孟県)にあった黄河の渡し場で、そこに「楊柳」が茂っています。南人には風情のある楊柳も「鬱として婆娑たり」です。
 「虜」は漢人が胡人を呼ぶときの蔑称で、作者は渡し場に茂る楊柳を見て、おれは胡人の子だ、漢人のセンチメンタルな別れの歌などに興味はないと言っています。

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