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ティェンタオの自由訳漢詩 2015

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 中唐12ー載叔倫
    湘南即事             湘南即事

  盧橘花開楓葉衰   盧橘(ろきつ)  花開いて  楓葉(ふうよう)衰(おとろ)う
  出門何処望京師   門を出でて何(いず)れの処にか京師(けいし)を望まん
  沅湘日夜東流去   沅湘(げんしょう)  日夜  東に流れて去り
  不為愁人往少時   愁人(しゅうじん)の為に往(とど)まること少時(しばらく)もせず

  ⊂訳⊃
          金柑の花が咲き    楓葉は紅葉して散っていく

          門を出て都を望むが 方角も分からない

          沅水と湘水は     休むことなく東に流れ

          愁いに沈む私の為に しばしも留まってはくれないのだ


 ⊂ものがたり⊃ 載叔倫(たいしゅくりん:732ー789)は閏州金壇(江蘇省金壇県)の人。二十三歳のとき安史の乱に遭遇し、乱を避けて鄱陽(江西省波陽県)に移住しました。貞元十六年(800)に白居易と同年で進士に及第したとありますが、死後になりますので何かの誤りでしょう。流入して杭州新城(浙江省富陽県)の県令などを務めます。
 詩題の「湘南」(しょうなん)は湖南のことで、載叔倫が一時、曹王李皐(りこう)の幕下にあったときの作品とされます。起句で湖南の秋を設定し、承句は都を離れて月日が経ったことをいう常套句です。
 沅水は西から、湘水は南から洞庭湖に注ぎますが、一般に太河が流れることを東流というのでしょう。川の流れも私に目をくれないで流れ去ると、僻地で見捨てられている身を歎きます。

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