中唐12ー載叔倫
湘南即事 湘南即事
盧橘花開楓葉衰 盧橘(ろきつ) 花開いて 楓葉(ふうよう)衰(おとろ)う
出門何処望京師 門を出でて何(いず)れの処にか京師(けいし)を望まん
沅湘日夜東流去 沅湘(げんしょう) 日夜 東に流れて去り
不為愁人往少時 愁人(しゅうじん)の為に往(とど)まること少時(しばらく)もせず
⊂訳⊃
金柑の花が咲き 楓葉は紅葉して散っていく
門を出て都を望むが 方角も分からない
沅水と湘水は 休むことなく東に流れ
愁いに沈む私の為に しばしも留まってはくれないのだ
⊂ものがたり⊃ 載叔倫(たいしゅくりん:732ー789)は閏州金壇(江蘇省金壇県)の人。二十三歳のとき安史の乱に遭遇し、乱を避けて鄱陽(江西省波陽県)に移住しました。貞元十六年(800)に白居易と同年で進士に及第したとありますが、死後になりますので何かの誤りでしょう。流入して杭州新城(浙江省富陽県)の県令などを務めます。
詩題の「湘南」(しょうなん)は湖南のことで、載叔倫が一時、曹王李皐(りこう)の幕下にあったときの作品とされます。起句で湖南の秋を設定し、承句は都を離れて月日が経ったことをいう常套句です。
沅水は西から、湘水は南から洞庭湖に注ぎますが、一般に太河が流れることを東流というのでしょう。川の流れも私に目をくれないで流れ去ると、僻地で見捨てられている身を歎きます。
湘南即事 湘南即事
盧橘花開楓葉衰 盧橘(ろきつ) 花開いて 楓葉(ふうよう)衰(おとろ)う
出門何処望京師 門を出でて何(いず)れの処にか京師(けいし)を望まん
沅湘日夜東流去 沅湘(げんしょう) 日夜 東に流れて去り
不為愁人往少時 愁人(しゅうじん)の為に往(とど)まること少時(しばらく)もせず
⊂訳⊃
金柑の花が咲き 楓葉は紅葉して散っていく
門を出て都を望むが 方角も分からない
沅水と湘水は 休むことなく東に流れ
愁いに沈む私の為に しばしも留まってはくれないのだ
⊂ものがたり⊃ 載叔倫(たいしゅくりん:732ー789)は閏州金壇(江蘇省金壇県)の人。二十三歳のとき安史の乱に遭遇し、乱を避けて鄱陽(江西省波陽県)に移住しました。貞元十六年(800)に白居易と同年で進士に及第したとありますが、死後になりますので何かの誤りでしょう。流入して杭州新城(浙江省富陽県)の県令などを務めます。
詩題の「湘南」(しょうなん)は湖南のことで、載叔倫が一時、曹王李皐(りこう)の幕下にあったときの作品とされます。起句で湖南の秋を設定し、承句は都を離れて月日が経ったことをいう常套句です。
沅水は西から、湘水は南から洞庭湖に注ぎますが、一般に太河が流れることを東流というのでしょう。川の流れも私に目をくれないで流れ去ると、僻地で見捨てられている身を歎きます。