盛唐96ー高適
九曲詞 九曲詞
鉄馬横行鉄嶺頭 鉄馬(てつば)横行(おうこう)す 鉄嶺(てつれい)の頭(ほとり)
西看邏娑取封侯 西のかた邏娑(らさ)を看(み)て封侯(ほうこう)を取らん
青海只今将飲馬 青海(せいかい) 只今 将(まさ)に馬に飲(みずか)わんとす
黄河不用更防秋 黄河(こうが)用いず 更に秋を防(ふせ)ぐを
⊂訳⊃
鉄嶺のあたりを 鉄騎に跨って勇んでゆく
ラサを西に望み 功名を立てようと思う
いままさに 青海のほとりで馬に水をやり
秋に備えて 黄河の岸に布陣する必要もない
⊂ものがたり⊃ 県尉を辞任して放浪中、高適は隴右河西節度使哥舒翰(かじょかん)に認められて幕下に参じ、西域に勤務します。詩題の「九曲詞」(きゅうきょくし)は新楽府題で、天宝十三載、哥舒翰は吐蕃(とばん)を撃破し、黄河の源流「九曲」(青海省化隆県付近)地方を取りもどしました。そのころの作と思われます。
「鉄嶺」は西北塞外の山と見られますが、位置は不明です。「邏娑」は西蔵の首都ラサのことであり、武功をめざすと詠うことで、戦意を鼓舞するのです。「青海」は青海湖のこと。「将に馬に飲わんとす」と詠うことで、吐蕃を破った戦を祝うのでしょう。
「秋を防ぐ」は秋になると侵入してくる異民族に備えて黄河の守りを固めることを意味し、その必要もなくなったと戦勝を祝うのです。
九曲詞 九曲詞
鉄馬横行鉄嶺頭 鉄馬(てつば)横行(おうこう)す 鉄嶺(てつれい)の頭(ほとり)
西看邏娑取封侯 西のかた邏娑(らさ)を看(み)て封侯(ほうこう)を取らん
青海只今将飲馬 青海(せいかい) 只今 将(まさ)に馬に飲(みずか)わんとす
黄河不用更防秋 黄河(こうが)用いず 更に秋を防(ふせ)ぐを
⊂訳⊃
鉄嶺のあたりを 鉄騎に跨って勇んでゆく
ラサを西に望み 功名を立てようと思う
いままさに 青海のほとりで馬に水をやり
秋に備えて 黄河の岸に布陣する必要もない
⊂ものがたり⊃ 県尉を辞任して放浪中、高適は隴右河西節度使哥舒翰(かじょかん)に認められて幕下に参じ、西域に勤務します。詩題の「九曲詞」(きゅうきょくし)は新楽府題で、天宝十三載、哥舒翰は吐蕃(とばん)を撃破し、黄河の源流「九曲」(青海省化隆県付近)地方を取りもどしました。そのころの作と思われます。
「鉄嶺」は西北塞外の山と見られますが、位置は不明です。「邏娑」は西蔵の首都ラサのことであり、武功をめざすと詠うことで、戦意を鼓舞するのです。「青海」は青海湖のこと。「将に馬に飲わんとす」と詠うことで、吐蕃を破った戦を祝うのでしょう。
「秋を防ぐ」は秋になると侵入してくる異民族に備えて黄河の守りを固めることを意味し、その必要もなくなったと戦勝を祝うのです。