盛唐95ー高適
除夜作 除夜の作
旅館寒燈独不眠 旅館の寒燈(かんとう) 独り眠らず
客心何事転凄然 客心(かくしん) 何事ぞ 転(うた)た凄然(せいぜん)
故郷今夜思千里 故郷(こきょう) 今夜 千里を思う
霜鬢明朝又一年 霜鬢(そうびん) 明朝 又(ま)た一年
⊂訳⊃
寒々とした宿の灯火 ひとり眠れずにいると
旅の寂しさが なぜか凄然と湧いてくる
大晦日の今夜 はるか千里の故郷を思う
明日の朝には 鬢の白髪も増えてまた一歳
⊂ものがたり⊃ 詩題の「除夜」(じょや)は大晦日の晩。制作時期は不明ですが、高適は天宝八載(749)に四十三歳くらいで科挙の有道科に及第します。汴州封丘(河南省開封市)の県尉になりますが、地位の低さに失望して辞任し、放浪生活にもどります。詩には失意がにじみ出ており、そのころの作品ではないでしょうか。
前半二句は、みすぼらしい宿に泊まったときの心境です。後半は「転た凄然」であることの理由を述べます。寂しさは大晦日の夜に故郷を思うことから湧いてきます。故郷を思うことは、故郷で自分を思っている家族を思うことでもあります。新年になればまた一歳、年も増え白髪も増えると歎きます。
除夜作 除夜の作
旅館寒燈独不眠 旅館の寒燈(かんとう) 独り眠らず
客心何事転凄然 客心(かくしん) 何事ぞ 転(うた)た凄然(せいぜん)
故郷今夜思千里 故郷(こきょう) 今夜 千里を思う
霜鬢明朝又一年 霜鬢(そうびん) 明朝 又(ま)た一年
⊂訳⊃
寒々とした宿の灯火 ひとり眠れずにいると
旅の寂しさが なぜか凄然と湧いてくる
大晦日の今夜 はるか千里の故郷を思う
明日の朝には 鬢の白髪も増えてまた一歳
⊂ものがたり⊃ 詩題の「除夜」(じょや)は大晦日の晩。制作時期は不明ですが、高適は天宝八載(749)に四十三歳くらいで科挙の有道科に及第します。汴州封丘(河南省開封市)の県尉になりますが、地位の低さに失望して辞任し、放浪生活にもどります。詩には失意がにじみ出ており、そのころの作品ではないでしょうか。
前半二句は、みすぼらしい宿に泊まったときの心境です。後半は「転た凄然」であることの理由を述べます。寂しさは大晦日の夜に故郷を思うことから湧いてきます。故郷を思うことは、故郷で自分を思っている家族を思うことでもあります。新年になればまた一歳、年も増え白髪も増えると歎きます。