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ティェンタオの自由訳漢詩 1999

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  盛唐93ー高適
    邯鄲少年行            邯鄲少年行         (後半六句)

  君不見今人交態薄  君(きみ)見ずや  今人(きんじん)  交態(こうたい)の薄きを
  黄金用尽還疎索   黄金(おうごん)  用い尽くせば還(ま)た疎索(そさく)
  以茲感歎辞旧遊   茲(ここ)を以て感歎して旧遊(きゅうゆう)を辞し
  更於時事無所求   更に時事(じじ)に於いて求むる所(ところ)無し
  且与少年飲美酒   且(しばら)く少年と美酒を飲み
  往来射猟西山頭   往来(おうらい)  射猟(しゃりょう)せん  西山(せいざん)の頭(ほとり)

  ⊂訳⊃
          君も知っているだろう   今の世のつき合いの薄いことを
          有り金を使い果たせば  おさらばだ
          ご時世に溜め息をつき  つき合いもやめ
          この世のあれこれに   何も求めぬことにした
          しばらくは若者たちと   おいしい酒でも飲み
          駆け回って狩をしよう   あの西の山のほとりで


 ⊂ものがたり⊃ 後半六句のはじめ四句は、「君見すや」と問いかけて現状を批判します。最近は人情が薄いことを述べ、「更に時事に於いて求むる所無し」といいます。「時事」は世の中のあれこれでしょう。そして結びの二句では、「少年」(十八歳から三十歳くらいをいう)たちと酒でも飲み、狩でもして楽しもうと諦めの口調で詠います。「西山」は邯鄲あたりからみた西の山裾でしょう。 

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