盛唐91ー高適
栄州歌 栄州の歌
栄州少年厭原野 栄州(えいしゅう)の少年 原野(げんや)に厭(あ)く
皮裘蒙茸猟城下 皮裘(ひきゅう) 蒙茸(もうじょう)として 城下に猟(かり)す
虜酒千鍾不酔人 虜酒(りょしゅ)千鍾(せんしょう) 人を酔わしめず
胡児十歳能騎馬 胡児(こじ) 十歳 能(よ)く馬に騎(の)る
⊂訳⊃
栄州の若者たちは 広い野原を知り尽くし
皮衣をなびかせて 砦のそばで狩をする
酒を千杯飲もうと 酔うこともなく
胡児たちは十歳で 馬を上手に乗りこなす
⊂ものがたり⊃ 詩題の「栄州」は遼寧省のあたりをいい、契丹族と境を接しています。そこにでかけた高適が胡族の印象を書きとめた詩です。「原野に厭く」というのは原野のことをよく知っているという意味です。「蒙茸」は乱れる、ばらばらになることで、「皮裘」(皮ごろも)が風になびくさまをいいます。
当時、辺境を訪れた詩人は見分を記録して内地に送る務めがありました。そうした活動が官に認められる切っ掛けになるのであり、若いころ、生家に近い東北辺境を訪れたときの作とみられます。
栄州歌 栄州の歌
栄州少年厭原野 栄州(えいしゅう)の少年 原野(げんや)に厭(あ)く
皮裘蒙茸猟城下 皮裘(ひきゅう) 蒙茸(もうじょう)として 城下に猟(かり)す
虜酒千鍾不酔人 虜酒(りょしゅ)千鍾(せんしょう) 人を酔わしめず
胡児十歳能騎馬 胡児(こじ) 十歳 能(よ)く馬に騎(の)る
⊂訳⊃
栄州の若者たちは 広い野原を知り尽くし
皮衣をなびかせて 砦のそばで狩をする
酒を千杯飲もうと 酔うこともなく
胡児たちは十歳で 馬を上手に乗りこなす
⊂ものがたり⊃ 詩題の「栄州」は遼寧省のあたりをいい、契丹族と境を接しています。そこにでかけた高適が胡族の印象を書きとめた詩です。「原野に厭く」というのは原野のことをよく知っているという意味です。「蒙茸」は乱れる、ばらばらになることで、「皮裘」(皮ごろも)が風になびくさまをいいます。
当時、辺境を訪れた詩人は見分を記録して内地に送る務めがありました。そうした活動が官に認められる切っ掛けになるのであり、若いころ、生家に近い東北辺境を訪れたときの作とみられます。