盛唐82ー岑参
送人還京 人の京に還るを送る
匹馬西従天外帰 匹馬(ひつば) 西のかた天外(てんがい)より帰り
揚鞭只共鳥争飛 鞭(むち)を揚げて只(た)だ鳥と飛ぶを争う
送君九月交河北 君を送る 九月 交河(こうが)の北
雪裏題詩涙満衣 雪裏(せつり) 詩を題すれば 涙(なんだ)衣(ころも)に満つ
⊂訳⊃
馬に乗って 西のかた天の果てから帰り
鞭を揚げて 飛ぶ鳥と速さを競う
晩秋の九月 交河の北で君を見送り
吹雪の中で詩を書けば 涙で衣は濡れ果てる
⊂ものがたり⊃ 安西都護府に着いたあと、都へ帰る人を見送る詩です。誰を見送ったのか不明です。詩中の「交河」(新疆ウイグル自治区トゥルファンの西)は交河という川に囲まれた断崖の上にあり、いまも交河故城遺跡として残されています。当時はここに安西都護府が置かれていました。
都に帰る人は交河のさらに西からもどって来たらしく、使者でしょう。陰暦「九月」、交河の北まで見送りますが、はやくも雪が降っていました。
送人還京 人の京に還るを送る
匹馬西従天外帰 匹馬(ひつば) 西のかた天外(てんがい)より帰り
揚鞭只共鳥争飛 鞭(むち)を揚げて只(た)だ鳥と飛ぶを争う
送君九月交河北 君を送る 九月 交河(こうが)の北
雪裏題詩涙満衣 雪裏(せつり) 詩を題すれば 涙(なんだ)衣(ころも)に満つ
⊂訳⊃
馬に乗って 西のかた天の果てから帰り
鞭を揚げて 飛ぶ鳥と速さを競う
晩秋の九月 交河の北で君を見送り
吹雪の中で詩を書けば 涙で衣は濡れ果てる
⊂ものがたり⊃ 安西都護府に着いたあと、都へ帰る人を見送る詩です。誰を見送ったのか不明です。詩中の「交河」(新疆ウイグル自治区トゥルファンの西)は交河という川に囲まれた断崖の上にあり、いまも交河故城遺跡として残されています。当時はここに安西都護府が置かれていました。
都に帰る人は交河のさらに西からもどって来たらしく、使者でしょう。陰暦「九月」、交河の北まで見送りますが、はやくも雪が降っていました。