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ティェンタオの自由訳漢詩 1986

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 盛唐80ー岑参
    磧中作              磧中の作

  走馬西来欲到天   馬を走らせて西来(せいらい)  天に到らんと欲す
  辞家見月両囘円   家を辞して  月の両回(りょうかい)円(まど)かなるを見る
  今夜不知何処宿   今夜  知らず  何(いず)れの処(ところ)にか宿(しゅく)せん
  平沙万里絶人煙   平沙(へいさ)万里(ばんり)   人煙(じんえん)を絶(た)ゆ

  ⊂訳⊃
          馬を走らせて  西へ行けば天空に達するほどだ

          家を出てから  まんまるい月を二度もみた

          さて今夜は    どこに泊まることになるのだろうか

          万里の砂漠に  人家の煙は絶えている


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「磧」(せき)は小石まじりの砂地、ここではゴビ砂漠でしょう。「月の両回円かなるを見る」は月が二度満月になることで、二か月経ったことを意味します。顔真卿を送る「胡笳歌」が想像の作品であったのに対して、この作品は実際に西域に赴いての辺塞詩です。実感が籠もっているのを感じることができます。

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