盛唐80ー岑参
磧中作 磧中の作
走馬西来欲到天 馬を走らせて西来(せいらい) 天に到らんと欲す
辞家見月両囘円 家を辞して 月の両回(りょうかい)円(まど)かなるを見る
今夜不知何処宿 今夜 知らず 何(いず)れの処(ところ)にか宿(しゅく)せん
平沙万里絶人煙 平沙(へいさ)万里(ばんり) 人煙(じんえん)を絶(た)ゆ
⊂訳⊃
馬を走らせて 西へ行けば天空に達するほどだ
家を出てから まんまるい月を二度もみた
さて今夜は どこに泊まることになるのだろうか
万里の砂漠に 人家の煙は絶えている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「磧」(せき)は小石まじりの砂地、ここではゴビ砂漠でしょう。「月の両回円かなるを見る」は月が二度満月になることで、二か月経ったことを意味します。顔真卿を送る「胡笳歌」が想像の作品であったのに対して、この作品は実際に西域に赴いての辺塞詩です。実感が籠もっているのを感じることができます。
磧中作 磧中の作
走馬西来欲到天 馬を走らせて西来(せいらい) 天に到らんと欲す
辞家見月両囘円 家を辞して 月の両回(りょうかい)円(まど)かなるを見る
今夜不知何処宿 今夜 知らず 何(いず)れの処(ところ)にか宿(しゅく)せん
平沙万里絶人煙 平沙(へいさ)万里(ばんり) 人煙(じんえん)を絶(た)ゆ
⊂訳⊃
馬を走らせて 西へ行けば天空に達するほどだ
家を出てから まんまるい月を二度もみた
さて今夜は どこに泊まることになるのだろうか
万里の砂漠に 人家の煙は絶えている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「磧」(せき)は小石まじりの砂地、ここではゴビ砂漠でしょう。「月の両回円かなるを見る」は月が二度満月になることで、二か月経ったことを意味します。顔真卿を送る「胡笳歌」が想像の作品であったのに対して、この作品は実際に西域に赴いての辺塞詩です。実感が籠もっているのを感じることができます。