Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 1984

$
0
0
 盛唐78ー岑参
   玉関寄長安李主簿     玉関にて長安の李主簿に寄す

  東去長安万里余   東のかた長安を去って万里余(ばんりよ)
  故人那惜一行書   故人(こじん)那(いか)んぞ一行の書を惜(お)しむ
  玉関西望腸堪断   玉関(ぎょくかん)  西望すれば腸(はらわた)断つに堪(た)えたり
  况復明朝是歳除   况(いわ)んや復(ま)た明朝(みょうちょう)は是(こ)れ歳除(さいじょ)なるをや

  ⊂訳⊃
          東の長安から  一万余里

          友よどうして   一行の便りもくれないのか

          玉門関の西を望めば  腸も千切れるほど

          まして明日は大晦日  また一歳を重ねるのだ


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「玉関」(ぎょくかん)は玉門関のことで、唐代は敦煌(とんこう)の北東160kmのところにありました。「李主簿」(りしゅぼ)は長安県の主簿(事務官)と見られますが、伝不明です。岑参が安西都護府に赴任する途中、玉門關に滞在したときの作品でしょう。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>