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ティェンタオの自由訳漢詩 1849

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 南北朝50ー歌謠
   長干曲                長干曲

  逆浪故相邀     逆浪(げきろう)    故(ことさら)に相邀(あいむか)う
  菱舟不怕揺     菱舟(りょうしゅう)  揺るるを怕(おそ)れず
  妾家揚子住     妾(しょう)が家    揚子(ようし)に住み
  便弄広陵潮     便(すなわ)ち広陵(こうりょう)の潮(うしお)を弄(ろう)す

  ⊂訳⊃
          私はあえて  逆巻く波に立ち向かう

          菱摘み舟が  揺れてもこわくはありません

          私の家は   揚子にあって

          揚州の波を  自由自在に操れます


 ⊂ものがたり⊃ 曲名の「長干」(ちょうかん)は首都建康の長江沿岸にあった町で、船運を利用する商業の盛んな港町でした。長干のあたりで作られた民謡を長干曲といいます。
 歌は建康よりも下流の揚州付近に揚子という渡津があり、そこに家のある娘が菱摘み舟を操る腕前を自慢しています。当時は小舟を操って菱の実を摘む作業は、若い娘の仕事でした。歌には働く女性の気っぷのよさが出ています。長干の男に自分を売り込んでいるのでしょうか。
 なお「広陵」は揚州の古名で、このころの長江は揚州に近いところで海に注いでいましたので、波が荒かったようです。

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