盛唐75ー岑参
春夢 春夢
洞房昨夜春風起 洞房(どうぼう) 昨夜 春風(しゅんぷう)起り
遥憶美人湘江水 遥かに憶(おも)う 美人 湘江(しょうこう)の水
枕上片時春夢中 枕上(ちんじょう) 片時(へんじ) 春夢(しゅんむ)の中(うち)
行尽江南数千里 行き尽くす 江南(こうなん)数千里
⊂訳⊃
奥まった部屋で 昨夜春風の吹くのを聞き
遥かに思い出す 湘江の水辺の友を
枕の上で しばしまどろむ春の夢
江南の路を幾千里 歩きつくして訪ねていた
⊂ものがたり⊃ 制作年は不明ですが、任官してほどないころの作品でしょう。「湘江」は湖南を北流して洞庭湖に注ぐ川で、江南に赴任した友人を思う詩です。「洞房」は奥まった寝室で、女性の部屋という語感があります。「美人」は君子の意味で、友人を指しますが名はわかりません。春の夜に友人を訪ねて江南を歩く夢を見たと、友人を思う気持ちを詩に書いて送ったものです。
春夢 春夢
洞房昨夜春風起 洞房(どうぼう) 昨夜 春風(しゅんぷう)起り
遥憶美人湘江水 遥かに憶(おも)う 美人 湘江(しょうこう)の水
枕上片時春夢中 枕上(ちんじょう) 片時(へんじ) 春夢(しゅんむ)の中(うち)
行尽江南数千里 行き尽くす 江南(こうなん)数千里
⊂訳⊃
奥まった部屋で 昨夜春風の吹くのを聞き
遥かに思い出す 湘江の水辺の友を
枕の上で しばしまどろむ春の夢
江南の路を幾千里 歩きつくして訪ねていた
⊂ものがたり⊃ 制作年は不明ですが、任官してほどないころの作品でしょう。「湘江」は湖南を北流して洞庭湖に注ぐ川で、江南に赴任した友人を思う詩です。「洞房」は奥まった寝室で、女性の部屋という語感があります。「美人」は君子の意味で、友人を指しますが名はわかりません。春の夜に友人を訪ねて江南を歩く夢を見たと、友人を思う気持ちを詩に書いて送ったものです。