盛唐65ー賈至
春思 其二 春思 其の二
紅粉当壚弱柳垂 紅粉(こうふん)して壚(ろ)に当たれば弱柳(じゃくりゅう)垂(た)れ
金花臘酒解酴醿 金花(きんか)の臘酒(ろうしゅ) 酴醿(とび)を解(と)く
笙歌日暮能留客 笙歌(しょうか) 日暮(にちぼ) 能(よ)く客を留め
酔殺長安軽薄児 酔殺(すいさつ)す 長安(ちょうあん)軽薄(けいはく)の児(じ)
⊂訳⊃
化粧してお店に出れば しだれ柳の立ち姿
金花の新酒 極上の酒 あなたのために開けました
日が落ちても笛と酒 客を返しはいたしません
長安の浮かれた男たち 酔いつぶしてみせますよ
⊂ものがたり⊃ 酒楼の女性に成り代わって酒場の女の心意気を詠います。「紅粉」は紅と白粉で、化粧すること。「当壚」はの飲み屋の店に出ることです。「弱柳垂れ」は店の前の柳と解することもできますが、ここでは自分の姿を柳に喩えていると解しました。
「金花」は酒の色とも酒の名ともいいますが不詳です。「臘酒」は前年の暮れに仕込んだ酒、新酒です。「酴醿」は特殊な醸造酒で、唐の宮中では寒食の日(陽暦四月三日または四日)に、百官に酒を賜わる習わしでした。恩賜の酒、極上の酒のことです。
全篇に盛唐の華やかさの溢れる詠い振りで、安史の乱以前の若いころの作品でしょう。
春思 其二 春思 其の二
紅粉当壚弱柳垂 紅粉(こうふん)して壚(ろ)に当たれば弱柳(じゃくりゅう)垂(た)れ
金花臘酒解酴醿 金花(きんか)の臘酒(ろうしゅ) 酴醿(とび)を解(と)く
笙歌日暮能留客 笙歌(しょうか) 日暮(にちぼ) 能(よ)く客を留め
酔殺長安軽薄児 酔殺(すいさつ)す 長安(ちょうあん)軽薄(けいはく)の児(じ)
⊂訳⊃
化粧してお店に出れば しだれ柳の立ち姿
金花の新酒 極上の酒 あなたのために開けました
日が落ちても笛と酒 客を返しはいたしません
長安の浮かれた男たち 酔いつぶしてみせますよ
⊂ものがたり⊃ 酒楼の女性に成り代わって酒場の女の心意気を詠います。「紅粉」は紅と白粉で、化粧すること。「当壚」はの飲み屋の店に出ることです。「弱柳垂れ」は店の前の柳と解することもできますが、ここでは自分の姿を柳に喩えていると解しました。
「金花」は酒の色とも酒の名ともいいますが不詳です。「臘酒」は前年の暮れに仕込んだ酒、新酒です。「酴醿」は特殊な醸造酒で、唐の宮中では寒食の日(陽暦四月三日または四日)に、百官に酒を賜わる習わしでした。恩賜の酒、極上の酒のことです。
全篇に盛唐の華やかさの溢れる詠い振りで、安史の乱以前の若いころの作品でしょう。