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ティェンタオの自由訳漢詩 1971

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 盛唐65ー賈至
   春思 其二               春思  其の二

  紅粉当壚弱柳垂   紅粉(こうふん)して壚(ろ)に当たれば弱柳(じゃくりゅう)垂(た)れ
  金花臘酒解酴醿   金花(きんか)の臘酒(ろうしゅ)  酴醿(とび)を解(と)く
  笙歌日暮能留客   笙歌(しょうか)  日暮(にちぼ)  能(よ)く客を留め
  酔殺長安軽薄児   酔殺(すいさつ)す  長安(ちょうあん)軽薄(けいはく)の児(じ)

  ⊂訳⊃
          化粧してお店に出れば  しだれ柳の立ち姿

          金花の新酒 極上の酒  あなたのために開けました

          日が落ちても笛と酒    客を返しはいたしません

          長安の浮かれた男たち  酔いつぶしてみせますよ


 ⊂ものがたり⊃ 酒楼の女性に成り代わって酒場の女の心意気を詠います。「紅粉」は紅と白粉で、化粧すること。「当壚」はの飲み屋の店に出ることです。「弱柳垂れ」は店の前の柳と解することもできますが、ここでは自分の姿を柳に喩えていると解しました。
 「金花」は酒の色とも酒の名ともいいますが不詳です。「臘酒」は前年の暮れに仕込んだ酒、新酒です。「酴醿」は特殊な醸造酒で、唐の宮中では寒食の日(陽暦四月三日または四日)に、百官に酒を賜わる習わしでした。恩賜の酒、極上の酒のことです。
 全篇に盛唐の華やかさの溢れる詠い振りで、安史の乱以前の若いころの作品でしょう。

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