盛唐54ー孟浩然
過故人荘 故人の荘に過る
故人具鶏黍 故人(こじん) 鶏黍(けいしょ)を具(そな)え
邀我至田家 我れを邀(むか)えて田家(でんか)に至らしむ
緑樹村辺合 緑樹(りょくじゅ) 村辺(そんぺん)に合し
青山郭外斜 青山(せいざん) 郭外(かくがい)に斜めなり
開軒面場圃 軒(まど)を開いて場圃(じょうほ)に面(めん)し
把酒話桑麻 酒を把(と)って桑麻(そうま)を話(かた)る
待到重陽日 重陽(ちょうよう)の日に到るを待って
還来就菊花 還(ま)た来たって 菊花(きくか)に就(つ)かん
⊂訳⊃
親しい友が 鶏と黍の料理を用意して
村の別荘へ 招いてくれた
緑の樹々は 村をめぐってこんもり茂り
青い山脈が 郭の向こうに斜めにみえる
窓を開いて 目の前の畑を眺め
酒を酌んで 桑や麻のことを語り合う
重陽節には またお邪魔して
菊の花を いっしょに観賞したいものだ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「故人」は親友、「荘」は別荘のことで、二句目の「田家」は田舎にある家という意味でしょう。はじめの二句は事情の説明。「鶏黍を具え」は鶏ときびめしのことで、心づくしのご馳走をいいます。
中四句は二組の対句になっており、まず別荘からの眺め。「緑樹 村辺に合し 青山 郭外に斜めなり」は名句として有名です。「郭」は村を取り巻く牆壁のことで、城壁のように高くないので、その向こうに山の尾根が傾いて見えるのです。つぎの対句は窓辺でくつろぐ二人の姿、陶淵明の詩の風情があります。
結びの二句は相手への挨拶。九月九日の重陽の節句は菊の花咲く季節で、菊酒を飲むのが習わしでした。その日にまたお邪魔したいと感謝の気持ちを表します。
過故人荘 故人の荘に過る
故人具鶏黍 故人(こじん) 鶏黍(けいしょ)を具(そな)え
邀我至田家 我れを邀(むか)えて田家(でんか)に至らしむ
緑樹村辺合 緑樹(りょくじゅ) 村辺(そんぺん)に合し
青山郭外斜 青山(せいざん) 郭外(かくがい)に斜めなり
開軒面場圃 軒(まど)を開いて場圃(じょうほ)に面(めん)し
把酒話桑麻 酒を把(と)って桑麻(そうま)を話(かた)る
待到重陽日 重陽(ちょうよう)の日に到るを待って
還来就菊花 還(ま)た来たって 菊花(きくか)に就(つ)かん
⊂訳⊃
親しい友が 鶏と黍の料理を用意して
村の別荘へ 招いてくれた
緑の樹々は 村をめぐってこんもり茂り
青い山脈が 郭の向こうに斜めにみえる
窓を開いて 目の前の畑を眺め
酒を酌んで 桑や麻のことを語り合う
重陽節には またお邪魔して
菊の花を いっしょに観賞したいものだ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「故人」は親友、「荘」は別荘のことで、二句目の「田家」は田舎にある家という意味でしょう。はじめの二句は事情の説明。「鶏黍を具え」は鶏ときびめしのことで、心づくしのご馳走をいいます。
中四句は二組の対句になっており、まず別荘からの眺め。「緑樹 村辺に合し 青山 郭外に斜めなり」は名句として有名です。「郭」は村を取り巻く牆壁のことで、城壁のように高くないので、その向こうに山の尾根が傾いて見えるのです。つぎの対句は窓辺でくつろぐ二人の姿、陶淵明の詩の風情があります。
結びの二句は相手への挨拶。九月九日の重陽の節句は菊の花咲く季節で、菊酒を飲むのが習わしでした。その日にまたお邪魔したいと感謝の気持ちを表します。