盛唐48ー孟浩然
送朱大入秦 朱大の秦に入るを送る
遊人五陵去 遊人(ゆうじん) 五陵(ごりょう)へと去(ゆ)く
宝剣直千金 宝剣(ほうけん) 直(あたい)千金
分手脱相贈 手を分かつに 脱して相贈(あいおく)る
平生一片心 平生(へいぜい) 一片(いっぺん)の心
⊂訳⊃
君はこれから 栄華の都へと旅立つ
この剣は ちょっとした値打ちものだが
別れに望んで 餞別としよう
いつもの俺の ほんの心のしるしだよ
⊂ものがたり⊃ 孟浩然(もうこうねん:689ー740)は襄州襄陽(湖北省襄樊市)の人。開元元年(713)に二十五歳になっていますので、崔国輔や王之渙と同年齢です。王昌齢よりは十歳ほど年長になります。若いころから科挙を目指しますが及第できず、諸方を遊歴したあと郷里の鹿門山(ろくもんざん)に隠棲します。
詩題の「朱大」(しゅだい)は朱去非(しゅきょひ)という人物という説がありますが不詳です。「入秦」とあるのは唐を秦と言い換えたもので、長安へ行く朱氏を見送る詩です。「五陵」は渭水北岸の漢の陵邑で、貴顕の屋敷が多かったことから栄華の都という語感があります。「一片心」は自分の心使いを謙遜していう語です。
詩は盛唐のはじめころの五言絶句の風合いを色濃く残しており、若いころの作品でしょう。
送朱大入秦 朱大の秦に入るを送る
遊人五陵去 遊人(ゆうじん) 五陵(ごりょう)へと去(ゆ)く
宝剣直千金 宝剣(ほうけん) 直(あたい)千金
分手脱相贈 手を分かつに 脱して相贈(あいおく)る
平生一片心 平生(へいぜい) 一片(いっぺん)の心
⊂訳⊃
君はこれから 栄華の都へと旅立つ
この剣は ちょっとした値打ちものだが
別れに望んで 餞別としよう
いつもの俺の ほんの心のしるしだよ
⊂ものがたり⊃ 孟浩然(もうこうねん:689ー740)は襄州襄陽(湖北省襄樊市)の人。開元元年(713)に二十五歳になっていますので、崔国輔や王之渙と同年齢です。王昌齢よりは十歳ほど年長になります。若いころから科挙を目指しますが及第できず、諸方を遊歴したあと郷里の鹿門山(ろくもんざん)に隠棲します。
詩題の「朱大」(しゅだい)は朱去非(しゅきょひ)という人物という説がありますが不詳です。「入秦」とあるのは唐を秦と言い換えたもので、長安へ行く朱氏を見送る詩です。「五陵」は渭水北岸の漢の陵邑で、貴顕の屋敷が多かったことから栄華の都という語感があります。「一片心」は自分の心使いを謙遜していう語です。
詩は盛唐のはじめころの五言絶句の風合いを色濃く残しており、若いころの作品でしょう。