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ティェンタオの自由訳漢詩 1953

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 盛唐47ー常建
    送宇文六             宇文六を送る

  花映垂楊漢水清   花は垂楊(すいよう)に映じて漢水(かんすい)清く
  微風林裏一枝軽   微風(びふう)   林裏(りんり)  一枝(いっし)軽(かろ)し
  即今江北還如此   即今(そっこん) 江北  還(また)た此(かく)の如し
  愁殺江南離別情   愁殺(しゅうさつ)す  江南  離別(りべつ)の情(じょう)

  ⊂訳⊃
          花はしだれ柳に垂れて  漢水の流れは清く

          そよ風が吹けば  林の枝は微かに揺れる

          君のゆく江北は  いまごろこんな春景色

          江南では別れを惜しみ  深い愁いに沈むのだ


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「宇文六」(うぶんろく)は不詳です。常建が鄂渚(湖北省武漢市の西郊)にいたころ、北へ旅立つ宇文氏を「漢水」の岸辺まで見送ったときの詩でしょう。二句目の「一枝軽し」は陸凱(りくがい)の有名句(平成25年10月14日のブログ参照)を踏まえているとみられます。結句は江南に残る常建が自分の思いを述べて送別の辞とするのです。

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