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ティェンタオの自由訳漢詩 1951

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 盛唐45ー常建
   三日尋李九荘          三日 李九の荘を尋ぬ

  雨歇楊林東渡頭   雨は歇(や)む  楊林(ようりん)  東渡(とうと)の頭(ほとり)
  永和三日盪軽舟   永和三日(えいわさんじつ)  軽舟を盪(うご)かす
  故人家在桃花岸   故人(こじん)  家は桃花(とうか)の岸に在り
  直到門前渓水流   直ちに到らん  門前  渓水(けいすい)の流れに

  ⊂訳⊃
          雨は止み  東の渡し場のほとりに楊柳の林

          三月三日  永和のような麗らかな日に舟を出す

          友の家は  桃の花咲く岸辺にあり

          谷川の流れに沿って  門前に直接着こう


 ⊂ものがたり⊃ 常建ははじめ盱胎(くい:江蘇省盱胎県付近)の県尉になりますが、仕事に興味が持てなかったようです。次第に風雅を愛するようになり、詩は開元前半の軽く華やいだものから、静かで奥深いものに変化していきます。
 詩題の「三日」は三月三日、上巳の節句の日。その日に「李九」(経歴不明)の別荘を訪ねたときの舟上での作でしょう。はじめの二句で状況を述べます。「永和」は東晋の永和九年(353)上巳の日に、書家の王羲之(おうぎし)たちが会稽(浙江省紹興市)の蘭亭で宴を催し、有名な「蘭亭序」を書きました。その故事を踏まえるとともに、日が長く穏やかという「永和」の意味をかけたものでしょう。
 後半は「李九」の別荘が桃の花咲く岸辺にあり、流れに面して門があることを詠います。舟で直接に乗りつけられる風雅を褒めるのです。

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