盛唐45ー常建
三日尋李九荘 三日 李九の荘を尋ぬ
雨歇楊林東渡頭 雨は歇(や)む 楊林(ようりん) 東渡(とうと)の頭(ほとり)
永和三日盪軽舟 永和三日(えいわさんじつ) 軽舟を盪(うご)かす
故人家在桃花岸 故人(こじん) 家は桃花(とうか)の岸に在り
直到門前渓水流 直ちに到らん 門前 渓水(けいすい)の流れに
⊂訳⊃
雨は止み 東の渡し場のほとりに楊柳の林
三月三日 永和のような麗らかな日に舟を出す
友の家は 桃の花咲く岸辺にあり
谷川の流れに沿って 門前に直接着こう
⊂ものがたり⊃ 常建ははじめ盱胎(くい:江蘇省盱胎県付近)の県尉になりますが、仕事に興味が持てなかったようです。次第に風雅を愛するようになり、詩は開元前半の軽く華やいだものから、静かで奥深いものに変化していきます。
詩題の「三日」は三月三日、上巳の節句の日。その日に「李九」(経歴不明)の別荘を訪ねたときの舟上での作でしょう。はじめの二句で状況を述べます。「永和」は東晋の永和九年(353)上巳の日に、書家の王羲之(おうぎし)たちが会稽(浙江省紹興市)の蘭亭で宴を催し、有名な「蘭亭序」を書きました。その故事を踏まえるとともに、日が長く穏やかという「永和」の意味をかけたものでしょう。
後半は「李九」の別荘が桃の花咲く岸辺にあり、流れに面して門があることを詠います。舟で直接に乗りつけられる風雅を褒めるのです。
三日尋李九荘 三日 李九の荘を尋ぬ
雨歇楊林東渡頭 雨は歇(や)む 楊林(ようりん) 東渡(とうと)の頭(ほとり)
永和三日盪軽舟 永和三日(えいわさんじつ) 軽舟を盪(うご)かす
故人家在桃花岸 故人(こじん) 家は桃花(とうか)の岸に在り
直到門前渓水流 直ちに到らん 門前 渓水(けいすい)の流れに
⊂訳⊃
雨は止み 東の渡し場のほとりに楊柳の林
三月三日 永和のような麗らかな日に舟を出す
友の家は 桃の花咲く岸辺にあり
谷川の流れに沿って 門前に直接着こう
⊂ものがたり⊃ 常建ははじめ盱胎(くい:江蘇省盱胎県付近)の県尉になりますが、仕事に興味が持てなかったようです。次第に風雅を愛するようになり、詩は開元前半の軽く華やいだものから、静かで奥深いものに変化していきます。
詩題の「三日」は三月三日、上巳の節句の日。その日に「李九」(経歴不明)の別荘を訪ねたときの舟上での作でしょう。はじめの二句で状況を述べます。「永和」は東晋の永和九年(353)上巳の日に、書家の王羲之(おうぎし)たちが会稽(浙江省紹興市)の蘭亭で宴を催し、有名な「蘭亭序」を書きました。その故事を踏まえるとともに、日が長く穏やかという「永和」の意味をかけたものでしょう。
後半は「李九」の別荘が桃の花咲く岸辺にあり、流れに面して門があることを詠います。舟で直接に乗りつけられる風雅を褒めるのです。