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ティェンタオの自由訳漢詩 1946

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 盛唐40ー王昌齢
    重別李評事           重ねて李評事に別る

  莫道秋江離別難   道(い)う莫(な)かれ 秋江(しゅうこう)  離別難(かた)しと
  舟船明日是長安   舟船(しゅうせん)   明日(みょうにち) 是(こ)れ長安
  呉姫緩舞留君酔   呉姫(ごき)緩舞(かんぶ)して君を留(とど)めて酔わしむ
  随意青楓白露寒   随意(ずいい)なり  青楓(せいふう)白露(はくろ)の寒(かん)

  ⊂訳⊃
          秋の川辺の   別れは辛いといわないでくれ

          明日には船は  長安に着くだろう

          呉姫の舞いで  君を引き止め酔わせよう

          楓の青葉の白い露  寒さなどは気にしない


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「李評事」(りひょうじ)は不明ですが、評事は大理事(刑罰の役所)の属官です。「重ねて」とあるのは、長安に帰る李評事を見送った先で二度目の送別会を開いたのです。
 王昌齢が江寧に在勤していたときの作とされ、承句の「舟船 明日 是れ長安」は座を引き立てるために、すぐに長安に着くと詠ったものです。「呉姫」は呉の舞姫のことで、宴会には妓女が侍っていました。「楓」は江南に多い木で、日本のカエデとは違う落葉高木です。

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