盛唐38ー王昌齢
従軍行七首 其二 従軍行 七首 其の二
青海長雲暗雪山 青海(せいかい)の長雲(ちょううん) 雪山(せつざん)暗し
孤城遥望玉門関 孤城(こじょう) 遥かに望む 玉門関(ぎょくもんかん)
黄砂百戦穿金甲 黄砂(こうさ) 百戦 金甲(きんこう)を穿(うが)つも
不破楼蘭終不還 楼蘭(ろうらん)を破らずんば 終(つい)に還(かえ)らず
⊂訳⊃
青海湖上に長い雲 雪山はほの暗い
孤城に立って 遥かに望む玉門関
砂漠に百戦し 鎧にも穴が開いたが
楼蘭を破らずんば 死すとも還らず
⊂ものがたり⊃ 「青海」はココノール(青海省西寧市の西)、「雪山」は祺連山(きれんざん)とみられます。青海湖付近からすると「玉門関」(甘粛省敦煌市の西北)は西北の方角にあり、「楼蘭」(新疆ウイグル自治区ミーラーンの北)はさらにその西にあります。
漢の武帝のつぎ昭帝のときに、傅介子(ふかいし)が楼蘭王を暗殺した話は有名です。楼蘭のあとに興った鄯善国(ぜんぜんこく)も後漢の班超(はんちょう)によって服属させられますので、ここでの「楼蘭」は西域の異国と言った意味で使われていることになります。
いずれにしろ、王昌齢の経歴に西域勤務の事実は認められませんので、その辺塞詩はすべて想像の作品とみられます。
〇 「ものがたり」中の「祺」は外字になるので同音の字に変えてあります。
本来の字は旁の「其」が「阝」です。
※ 明日からは毎週、木曜・金曜を休みとします。
従軍行七首 其二 従軍行 七首 其の二
青海長雲暗雪山 青海(せいかい)の長雲(ちょううん) 雪山(せつざん)暗し
孤城遥望玉門関 孤城(こじょう) 遥かに望む 玉門関(ぎょくもんかん)
黄砂百戦穿金甲 黄砂(こうさ) 百戦 金甲(きんこう)を穿(うが)つも
不破楼蘭終不還 楼蘭(ろうらん)を破らずんば 終(つい)に還(かえ)らず
⊂訳⊃
青海湖上に長い雲 雪山はほの暗い
孤城に立って 遥かに望む玉門関
砂漠に百戦し 鎧にも穴が開いたが
楼蘭を破らずんば 死すとも還らず
⊂ものがたり⊃ 「青海」はココノール(青海省西寧市の西)、「雪山」は祺連山(きれんざん)とみられます。青海湖付近からすると「玉門関」(甘粛省敦煌市の西北)は西北の方角にあり、「楼蘭」(新疆ウイグル自治区ミーラーンの北)はさらにその西にあります。
漢の武帝のつぎ昭帝のときに、傅介子(ふかいし)が楼蘭王を暗殺した話は有名です。楼蘭のあとに興った鄯善国(ぜんぜんこく)も後漢の班超(はんちょう)によって服属させられますので、ここでの「楼蘭」は西域の異国と言った意味で使われていることになります。
いずれにしろ、王昌齢の経歴に西域勤務の事実は認められませんので、その辺塞詩はすべて想像の作品とみられます。
〇 「ものがたり」中の「祺」は外字になるので同音の字に変えてあります。
本来の字は旁の「其」が「阝」です。
※ 明日からは毎週、木曜・金曜を休みとします。