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ティェンタオの自由訳漢詩 1943

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 盛唐37ー王昌齢
   従軍行七首 其一       従軍行 七首 其の一

  烽火城西百尺楼   烽火(ほうか)   城西(じょうせい)  百尺(ひゃくせき)の楼
  黄昏独上海風秋   黄昏(こうこん)  独り上る  海風(かいふう)の秋
  更吹羌笛関山月   更に羌笛(きょうてき)を吹く  関山月(かんざんげつ)
  無那金閨万里愁   那(いかん)ともする無し  金閨(きんけい)  万里(ばんり)の愁い

  ⊂訳⊃
          烽火台の西に  百尺の楼がある

          日暮に上れば  湖から吹く秋の風

          誰が吹くのか  羌笛の調べは関山月

          万里のかなた  妻を想えばどうしようもない


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「従軍行」(じゅうぐんこう)は楽府題です。「烽火城」を城の名とする説もありますが、城のように大きな烽火台と考えました。「海風」、砂漠を海という場合もありますが、ここでは次回の「其の二」の詩によって青海湖から吹く風でしょう。「関山月」は出征の悲しみを詠う歌曲の名です。「金閨」は女性の寝室の美称で、ここでは家に残した妻のことです。

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