盛唐37ー王昌齢
従軍行七首 其一 従軍行 七首 其の一
烽火城西百尺楼 烽火(ほうか) 城西(じょうせい) 百尺(ひゃくせき)の楼
黄昏独上海風秋 黄昏(こうこん) 独り上る 海風(かいふう)の秋
更吹羌笛関山月 更に羌笛(きょうてき)を吹く 関山月(かんざんげつ)
無那金閨万里愁 那(いかん)ともする無し 金閨(きんけい) 万里(ばんり)の愁い
⊂訳⊃
烽火台の西に 百尺の楼がある
日暮に上れば 湖から吹く秋の風
誰が吹くのか 羌笛の調べは関山月
万里のかなた 妻を想えばどうしようもない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「従軍行」(じゅうぐんこう)は楽府題です。「烽火城」を城の名とする説もありますが、城のように大きな烽火台と考えました。「海風」、砂漠を海という場合もありますが、ここでは次回の「其の二」の詩によって青海湖から吹く風でしょう。「関山月」は出征の悲しみを詠う歌曲の名です。「金閨」は女性の寝室の美称で、ここでは家に残した妻のことです。
従軍行七首 其一 従軍行 七首 其の一
烽火城西百尺楼 烽火(ほうか) 城西(じょうせい) 百尺(ひゃくせき)の楼
黄昏独上海風秋 黄昏(こうこん) 独り上る 海風(かいふう)の秋
更吹羌笛関山月 更に羌笛(きょうてき)を吹く 関山月(かんざんげつ)
無那金閨万里愁 那(いかん)ともする無し 金閨(きんけい) 万里(ばんり)の愁い
⊂訳⊃
烽火台の西に 百尺の楼がある
日暮に上れば 湖から吹く秋の風
誰が吹くのか 羌笛の調べは関山月
万里のかなた 妻を想えばどうしようもない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「従軍行」(じゅうぐんこう)は楽府題です。「烽火城」を城の名とする説もありますが、城のように大きな烽火台と考えました。「海風」、砂漠を海という場合もありますが、ここでは次回の「其の二」の詩によって青海湖から吹く風でしょう。「関山月」は出征の悲しみを詠う歌曲の名です。「金閨」は女性の寝室の美称で、ここでは家に残した妻のことです。