南北朝46ー歌謠
子夜四時歌 子夜四時の歌 (春)
春林花多媚 春林(しゅんりん) 花 媚(みめよ)きこと多く
春鳥意多哀 春鳥(しゅんちょう) 意 哀しみ多し
春風復多情 春風(しゅんぷう) 復(ま)た情(じょう)多く
吹我羅裳開 我(わ)が羅裳(らしょう)を吹いて開かしむ
⊂訳⊃
春の林に咲く花は ほんとうに美しく
春の小鳥の鳴く声は 哀しく哀しく聞こえます
春風は なんていたずら者でしょう
薄絹の裳裾を吹いて ひろげるわ
⊂ものがたり⊃ 「子夜四時の歌」(しやしいじのうた)は子夜歌の影響を受けて生まれた歌謠で、東晋から宋・斉までの作七十五首が『楽府詩集』に収録されています。季節を四季に取っているのが特徴で、各季節から一首を選び、四回に分けて掲げます。
掲げる春の歌は女性の立場に立つ作です。春の林のなかをうっとりとして歩いていると、「多情」(気が多い)な春風が吹いて来て、裳裾を吹き上げたというコミカルな歌です。
子夜四時歌 子夜四時の歌 (春)
春林花多媚 春林(しゅんりん) 花 媚(みめよ)きこと多く
春鳥意多哀 春鳥(しゅんちょう) 意 哀しみ多し
春風復多情 春風(しゅんぷう) 復(ま)た情(じょう)多く
吹我羅裳開 我(わ)が羅裳(らしょう)を吹いて開かしむ
⊂訳⊃
春の林に咲く花は ほんとうに美しく
春の小鳥の鳴く声は 哀しく哀しく聞こえます
春風は なんていたずら者でしょう
薄絹の裳裾を吹いて ひろげるわ
⊂ものがたり⊃ 「子夜四時の歌」(しやしいじのうた)は子夜歌の影響を受けて生まれた歌謠で、東晋から宋・斉までの作七十五首が『楽府詩集』に収録されています。季節を四季に取っているのが特徴で、各季節から一首を選び、四回に分けて掲げます。
掲げる春の歌は女性の立場に立つ作です。春の林のなかをうっとりとして歩いていると、「多情」(気が多い)な春風が吹いて来て、裳裾を吹き上げたというコミカルな歌です。