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ティェンタオの自由訳漢詩 1845

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 南北朝46ー歌謠
   子夜四時歌         子夜四時の歌 (春)

  春林花多媚     春林(しゅんりん)  花  媚(みめよ)きこと多く
  春鳥意多哀     春鳥(しゅんちょう) 意  哀しみ多し
  春風復多情     春風(しゅんぷう)  復(ま)た情(じょう)多く
  吹我羅裳開     我(わ)が羅裳(らしょう)を吹いて開かしむ

  ⊂訳⊃
          春の林に咲く花は   ほんとうに美しく

          春の小鳥の鳴く声は  哀しく哀しく聞こえます

          春風は  なんていたずら者でしょう

          薄絹の裳裾を吹いて  ひろげるわ


 ⊂ものがたり⊃ 「子夜四時の歌」(しやしいじのうた)は子夜歌の影響を受けて生まれた歌謠で、東晋から宋・斉までの作七十五首が『楽府詩集』に収録されています。季節を四季に取っているのが特徴で、各季節から一首を選び、四回に分けて掲げます。
 掲げる春の歌は女性の立場に立つ作です。春の林のなかをうっとりとして歩いていると、「多情」(気が多い)な春風が吹いて来て、裳裾を吹き上げたというコミカルな歌です。

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