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ティェンタオの自由訳漢詩 1941

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 盛唐35ー王昌齢
   出塞二首 其一          出塞二首 其の一

  秦時明月漢時関   秦時(しんじ)の明月  漢時(かんじ)の関(かん)
  万里長征人未還   万里(ばんり)長征して  人  未(いま)だ還(かえ)らず
  但使龍城飛将在   但(た)だ龍城の飛将(ひしょう)をして在ら使(し)めば
  不教胡馬度陰山   胡馬(こば)をして  陰山(いんざん)を度(わた)ら教(し)めじ

  ⊂訳⊃
          秦の明月  漢の城塞  変わることなく戦はつづき

          万里の地に遠征して  人は故郷に帰れない

          だが  龍城の飛将軍  李広のような人がいるならば

          胡族の騎馬に陰山を  越えさせたりはしないであろう


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「出塞」(しゅっさい)は楽府題で、出征兵士の気持ちを詠います。まず秦漢時代から変わらないものを挙げて、戦がつづいていることを示唆するのでしょう。後半は時代に対する批判で、優秀な将軍がいないことを嘆きます。
 「龍城」は匈奴の地名、「飛将」は前漢の名将李広(りこう)をさします。李広は武帝時代に匈奴の討伐に活躍し、飛将軍と称されて匈奴から恐れられました。

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