盛唐33ー王昌齢
西宮秋怨 西宮秋怨
芙蓉不及美人粧 芙蓉(ふよう)も及ばず 美人の粧(よそお)い
水殿風来珠翠香 水殿(すいでん) 風来たって珠翠(しゅすい)香(かんば)し
却恨含情掩秋扇 却(かえ)って恨む 情を含んで秋扇(しゅうせん)を掩(おお)い
空懸明月待君王 空(むな)しく明月を懸けて君王(くんのう)を待ちしを
⊂訳⊃
化粧した美人の姿に 蓮の花は及ばない
庭の池から風が吹き 珠翠の簪が匂い立つ
秋の扇はしまい込み 思いを胸に秘めながら
月の光に照らされて 無駄に待つ身が恨めしい
⊂ものがたり⊃ 昨日の詩が春の歌であるのに対して秋の歌です。前半は長信宮の班婕?を描きます。「水殿」は水辺の御殿、「珠翠」は真珠と翡翠で飾った簪のことです。後半の「秋扇」は秋になると不用になる扇のことで、帝の寵愛を失ってみずから身を引いたけれども、慕う心は断ち切れないと詠います。
西宮秋怨 西宮秋怨
芙蓉不及美人粧 芙蓉(ふよう)も及ばず 美人の粧(よそお)い
水殿風来珠翠香 水殿(すいでん) 風来たって珠翠(しゅすい)香(かんば)し
却恨含情掩秋扇 却(かえ)って恨む 情を含んで秋扇(しゅうせん)を掩(おお)い
空懸明月待君王 空(むな)しく明月を懸けて君王(くんのう)を待ちしを
⊂訳⊃
化粧した美人の姿に 蓮の花は及ばない
庭の池から風が吹き 珠翠の簪が匂い立つ
秋の扇はしまい込み 思いを胸に秘めながら
月の光に照らされて 無駄に待つ身が恨めしい
⊂ものがたり⊃ 昨日の詩が春の歌であるのに対して秋の歌です。前半は長信宮の班婕?を描きます。「水殿」は水辺の御殿、「珠翠」は真珠と翡翠で飾った簪のことです。後半の「秋扇」は秋になると不用になる扇のことで、帝の寵愛を失ってみずから身を引いたけれども、慕う心は断ち切れないと詠います。