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ティェンタオの自由訳漢詩 1939

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 盛唐33ー王昌齢
    西宮秋怨              西宮秋怨

  芙蓉不及美人粧   芙蓉(ふよう)も及ばず  美人の粧(よそお)い
  水殿風来珠翠香   水殿(すいでん)   風来たって珠翠(しゅすい)香(かんば)し
  却恨含情掩秋扇   却(かえ)って恨む 情を含んで秋扇(しゅうせん)を掩(おお)い
  空懸明月待君王   空(むな)しく明月を懸けて君王(くんのう)を待ちしを

  ⊂訳⊃
          化粧した美人の姿に  蓮の花は及ばない

          庭の池から風が吹き  珠翠の簪が匂い立つ

          秋の扇はしまい込み  思いを胸に秘めながら

          月の光に照らされて  無駄に待つ身が恨めしい


 ⊂ものがたり⊃ 昨日の詩が春の歌であるのに対して秋の歌です。前半は長信宮の班婕?を描きます。「水殿」は水辺の御殿、「珠翠」は真珠と翡翠で飾った簪のことです。後半の「秋扇」は秋になると不用になる扇のことで、帝の寵愛を失ってみずから身を引いたけれども、慕う心は断ち切れないと詠います。

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