盛唐32ー王昌齢
西宮春怨 西宮春怨
西宮夜静百花香 西宮(せいきゅう) 夜静かにして百花(ひゃくか)香(かんば)し
欲捲珠簾春恨長 珠簾(しゅれん)を捲(ま)かんと欲して春恨(しゅんこん)長し
斜抱雲和深見月 斜めに雲和(うんか)を抱(いだ)いて 深く月を見れば
朦朧樹色隠昭陽 朦朧(もうろう)たる樹色 昭陽(しょうよう)を隠す
⊂訳⊃
長信宮の夜は静かで 花々の香りがただよう
簾を捲こうとするが 春の歎きは深くて重い
琵琶を斜めに抱えて 遠くの月を眺めると
朧にみえる樹々の影 昭陽殿は見る由もない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「西宮」は漢の長信宮の別名で、成帝の寵妃であった班嫜?(はんしょうよ)が住んでいました。詩の前半では帝の寵愛を趙飛燕(ちょうひえん)・趙昭儀(ちょうしょうぎ)姉妹に奪われた班嫜?の歎きを詠います。
後半の「雲和」は山の名で、その山の木で作った琵琶は名器とされていました。気を紛らそうとして琵琶を抱えてみますが、気になるのは未央宮の「昭陽」殿です。そこには趙姉妹が住んでいて、今夜も成帝のお成りがあると思われます。しかし、樹々に隠れて宮殿を見ることはできません。
西宮春怨 西宮春怨
西宮夜静百花香 西宮(せいきゅう) 夜静かにして百花(ひゃくか)香(かんば)し
欲捲珠簾春恨長 珠簾(しゅれん)を捲(ま)かんと欲して春恨(しゅんこん)長し
斜抱雲和深見月 斜めに雲和(うんか)を抱(いだ)いて 深く月を見れば
朦朧樹色隠昭陽 朦朧(もうろう)たる樹色 昭陽(しょうよう)を隠す
⊂訳⊃
長信宮の夜は静かで 花々の香りがただよう
簾を捲こうとするが 春の歎きは深くて重い
琵琶を斜めに抱えて 遠くの月を眺めると
朧にみえる樹々の影 昭陽殿は見る由もない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「西宮」は漢の長信宮の別名で、成帝の寵妃であった班嫜?(はんしょうよ)が住んでいました。詩の前半では帝の寵愛を趙飛燕(ちょうひえん)・趙昭儀(ちょうしょうぎ)姉妹に奪われた班嫜?の歎きを詠います。
後半の「雲和」は山の名で、その山の木で作った琵琶は名器とされていました。気を紛らそうとして琵琶を抱えてみますが、気になるのは未央宮の「昭陽」殿です。そこには趙姉妹が住んでいて、今夜も成帝のお成りがあると思われます。しかし、樹々に隠れて宮殿を見ることはできません。