中唐25ー韋応物
聞雁 雁を聞く
故園眇何処 故園(こえん) 眇(びょう)として何(いず)れの処(ところ)ぞ
帰思方悠哉 帰思(きし) 方(まさ)に悠(ゆう)なる哉(かな)
淮南秋雨夜 淮南(わいなん) 秋雨(しゅうう)の夜
高斎聞雁来 高斎(こうさい)に雁(かり)の来たるを聞く
⊂訳⊃
故郷は遥か 漠として何処にあるのか
帰心は募り 寝がえりをうつばかり
淮南の夜に 秋雨が降り
楼上の部屋で南に渡る雁の声を聞く
⊂ものがたり⊃ 詩中に「淮南」とあるので、滁州在勤中の作品です。「故園」は故郷のことですが、故郷は長安ですので、都は遥かに遠く方角も分からなくなったという比喩を含みます。「悠なる哉」は『詩経』関雎の「悠なる哉 悠なる哉 輾転反側す」を踏まえており、寝返りをうって眠られないことを意味します。
「高斎」は楼上にある書斎のことで、寝室を兼ねています。その部屋で北から渡ってきた雁の声を聞いたのです。
聞雁 雁を聞く
故園眇何処 故園(こえん) 眇(びょう)として何(いず)れの処(ところ)ぞ
帰思方悠哉 帰思(きし) 方(まさ)に悠(ゆう)なる哉(かな)
淮南秋雨夜 淮南(わいなん) 秋雨(しゅうう)の夜
高斎聞雁来 高斎(こうさい)に雁(かり)の来たるを聞く
⊂訳⊃
故郷は遥か 漠として何処にあるのか
帰心は募り 寝がえりをうつばかり
淮南の夜に 秋雨が降り
楼上の部屋で南に渡る雁の声を聞く
⊂ものがたり⊃ 詩中に「淮南」とあるので、滁州在勤中の作品です。「故園」は故郷のことですが、故郷は長安ですので、都は遥かに遠く方角も分からなくなったという比喩を含みます。「悠なる哉」は『詩経』関雎の「悠なる哉 悠なる哉 輾転反側す」を踏まえており、寝返りをうって眠られないことを意味します。
「高斎」は楼上にある書斎のことで、寝室を兼ねています。その部屋で北から渡ってきた雁の声を聞いたのです。